マネーの牛

のんびり、まったり、インデックス投資

このブログについて

ブログの内容

についての記事を主に書いていきます。

いずれも、相場を毎日チェックする必要のないノンビリ、マッタリとした投資方法です。

著者について

個人投資家と名乗るにはおこがましいレベルですが、過去に

をトレードした経験があります。

結果として、

  • 自分には短期の相場を張る度胸がないこと
  • 個別株の長期投資を成功させるために努力する時間・モチベーションもないこと

が分かったため、時間と労力のかからない投資のみを今は行っています。

参考図書

インデックス投資、オプション投資を行うにあたって以下の書籍を参考にしています。

超・株式投資 (Modern Alchemists Series No. 122)

超・株式投資 (Modern Alchemists Series No. 122)

  • 作者:KAPPA
  • 発売日: 2014/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

つみたてNISAとiDeCoのどっちを優先すべきか

タイトル詐欺が多すぎる

つみたてNISAとiDeCo、片方しかやる余裕がないとしたらどちらを選ぶべきでしょうか?

インターネットを検索すると、「結局どちらを選ぶべき?」的なタイトルであるにも関わらず「どちらにもメリット・デメリットがあるので、ちゃんと考えて選びましょう」というスタンスの記事が多すぎです。

網羅的で中立な情報をありがとう…と言いたいところですが、これじゃあ、結局どっちがいいのかよく分かりません。

本ブログは何のしがらみもない個人メディアなので、独断と偏見で結論を出します。

iDeCoを優先すべき

つみたてNISAもiDeCoも、「節税しつつ投資できる」制度です。どちらを使っても投資することには変わりないのだから、これら2つは節税効果の大きさによって比較されるべきです。

  • つみたてNISAは、投資して得られた利益が非課税
  • iDeCoは、掛け金および投資して得られた利益が非課税(ただし条件あり)

掛け金も課税対象から外れるiDeCoが圧倒的に有利です。どちらかを選ぶならiDeCoでしょう。

iDeCoは受け取り時の税金を考慮する必要があるため「条件あり」で非課税としていますが、詳しくは以下の記事を参照して下さい:

conran.hatenablog.com

そもそも、投資は余剰資金でやるものである

iDeCoのデメリットは、投資した資金を60歳になるまで引き出せないことであると言われています。

まとまったお金が必要になった時に現金化できないのは困る。そのロジック自体は正しいのですが、そもそも投資は余剰資金でやるものです。

つみたてNISAだろうがiDeCoだろうが、リスク資産に投資する際は余裕をもって現金資産を確保しておくべきです。

逆に言えば、まとまった現金を用意できない人はどちらもやるべきではありません。積み立て金を払ってしまうと生活が苦しい…なんていうのは論外です。まずは何はともあれ貯金しましょう。話はそれからです。

このブログは投資がテーマではありますが、老後資金2000万円問題のようなメディアの煽りや金融機関の口車に乗せられて、焦って手を出すことは推奨しません。生活資金に余裕が出てきたタイミングで、身の丈にあった投資を行いましょう。

退職金控除をゲットするためにiDeCoを使おう

iDeCoの節税効果

iDeCoで節税ができることは、多くの方がご存知だと思います。 サラリーマンの場合は最大で月額23000円までの積み立てが可能であるため、所得控除の額は年間で276000円。 この額が所得税や住民税を計算する際のベースとなる所得金額から差し引かれるため、そのぶんの節税効果があります。

節税額は年収によるため一概には言えませんが、年収400万円で年間41400円、600万円で55200円、800万円で82800円になるようです。 気になる方は、以下のサイトで計算してみると良いでしょう。

dc.rakuten-sec.co.jp

受け取る時の税金は?

iDeCoは個人型確定拠出「年金」というだけあって、積み立てたお金を一定の年齢になってから受け取る仕組みになっています。 話をややこしくしているのが、この受け取り時に税金がかかるという点です。 せっかくiDeCoを始めようとしたのに、ここで考えるのが面倒になってやめてしまった人も多いのではないでしょうか。

受け取り方には二種類あり、単純に言うと「一括で受け取る」か「分割で受け取る」かのどちらかになります。 (併用する方法もありますが、ややこしいのでここでは割愛します。) そして、それぞれ所得としての扱いが異なります。

  • 一括で受け取る場合 ... 「退職所得」として扱われる
  • 分割で受け取る場合 ... 「雑所得」として扱われる

税金に詳しい方ならば「退職所得の方が得じゃない?」と思われるかもしれません。 これも様々なパターンがあるため一概には言えないのですが、「退職金が出ない業界・会社に勤めている場合は一括で受け取った方が得である」とほぼ言い切れます。

退職金控除をもらうためにiDeCoを使う

退職金控除の金額の計算方法はそれほど難しくありません。今どき同じ会社に定年まで勤める人はいないので、単純に以下の「勤続年数」を積み立て年数に置き換えれば計算できます。

www.attax.co.jp

30年積み立てた場合は、800万円 + 70万円 × 10 = 1500万円になります。そもそも退職金が貰えない人は退職金控除の仕組みを利用できないため、 僕を含めそういう方にとってiDeCoは「本来得られるはずのなかった退職金控除をゲットするための仕組み」と言ってしまっても過言ではありません。

退職金控除を利用するための投資戦略

投資戦略というと何だか偉そうですが、要はどんな商品を買うかです。ここでは以下の2つを考えます。

  1. リスク回避のために元本確保型の商品を選択し、退職金控除によって税金を全く払わなくていい戦略
  2. 多少のリスクを取ってインデックス型投資信託を選択し、退職金控除を利用しつつ場合によって税金を払う戦略

単純ですね。以下、1を「リスクなし戦略」、2を「リスクあり戦略」と呼びます。

リスクなし戦略のシミュレーション

元本確保型の商品としては、例えばSBI証券では「あおぞらDC定期(1年)」などがあります。他にもあるようですが、まあ元本保証なのでどれを選んでも同じでしょう。

積立かんたんシミュレーション | 投信積立 | 投資信託 | 楽天証券を使ってシミュレーションします。積立金額は23000円、積立期間は30年、リターンは0%とします。また企業年金はないものとします。

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リスクなし戦略の運用結果

まあ、そのまんまですね。退職金控除が1500万円なので、余裕で収まります。

リスクあり戦略のシミュレーション

インデックス型投信としてSBI証券で選択可能な「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を選択することにします。このファンドの設定日は2018/07/03でありそれ以前の成績は参照できないため、ここではS&P500に連動するETFであるSPYのリターンを用います。

S&P500ETF SPY(1557)の株価とチャートの特徴とは?|投資の達人に書いてある8.78%を採用します。どのみち皮算用なので、この数値の正確性はあまり問題になりません。それ以外の条件はリスクなし戦略と同じです。

年率8.78%リターン

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リスクあり戦略(年率8.78%リターン)の運用結果

4000万円、夢のある話ですね。控除した上でも約2500万円分には税金がかかってしまいます。実際にはこんな上手くいくはずもないので、もうちょっと保守的なリターンで計算しましょう。5%ならどうなるでしょうか?

年率5%リターン

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リスクあり戦略(年率5%リターン)の運用結果

これだと控除からはみ出すのは約414万円です。「税金、別に払ってもいいか…」と思えるような金額ですね。逆に、1500万円に収まるような年率リターンを計算するとどうなるでしょうか?

税金を払わなくてよい最大リターン (3.64%)

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リスクあり戦略(年率3.64%リターン)の運用結果

結果は3.64%でした。これ以下のリターンなら、税金を払わずに済むということですね。

まとめ

リスクあり戦略の運用結果を見た後では、「リスクなし戦略を選ぶ意味なんてあるのか?どう考えてもリスクあり戦略だろ」と思われる方も多いでしょう。これも結局個人のリスク許容度次第なので、一概には言えません。例えば他の金融商品でハイリスクな投資を行っている方にとっては、リスクなし戦略で手堅く節税メリットを得るのも悪くないかもしれません。

そしてもちろん、どんな商品を選んだところで未来のリターンがどうなるかは分かりません。リスクあり戦略のシミュレーション結果は全て絵に書いた餅です。その程度のものではありますが、本記事が「どういう結果になった場合に、どれくらい税金を払わずに済むか」の感覚をつかむ助けになると幸いです。

なお、お決まりの台詞ではありますが、本記事は特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行いましょう。